「脂質異常症」の治療では、まず生活習慣の改善を行います。しかし、生活習慣の改善を3~6ヶ月間行っても、十分な効果が得られない場合は、薬物療法が検討されます。

また、冠動脈疾患のリスクがかなり高い場合は、最初から薬物療法が行われることがあります。

薬物療法のポイント

脂質異常症の薬物療法を受けるにあたり、重要なポイントが2つあります。

タイプに応じた薬を用いる

脂質異常症には、次の3タイプがあります。

・ 高LDLコレステロール血症
・ 低HDLコレステロール血症
・ 高中性脂肪血症

このうち、薬物療法が行われるのは、高LDLコレステロール血症と、高中性脂肪血症の場合です。これらが両方ある場合は、両方の薬を併用することもあります。

低HDLコレステロール血症の場合は、まだ十分に効果的な薬が開発されていないため、運動などを中心とした生活習慣の改善が治療の基本となります。

総合的な治療(包括的治療)を行う

脂質異常症の治療の目的は、動脈硬化の進行を抑えて、冠動脈疾患などを防ぐことにあります。

したがって、血液中のコレステロールなどだけではなく、動脈硬化や冠動脈疾患を招くほかの危険因子にも十分目を向ける必要があります。

当てはまるものがあれば、脂質異常症の治療と並行してその治療も行っていきます。

総合的な治療の効果

糖尿病患者さんの総合的な治療による効果を示した研究結果では、食事療法や薬物療法で、血糖値を中心とした渋滞の管理をしていたグループでは、8年後に約半分以上の患者さんが冠動脈疾患を起こしています。

しかし、血糖値だけではなく、コレステロールや血圧などを総合的に管理したグループは、冠動脈疾患の発症率がその半分程度でした。

また、LDLコレステロール値を40mg/dL下げると、冠動脈疾患を起こす可能性が25%下がり、収縮期血圧を5mmHg下げると、冠動脈疾患を起こす確立が16~17%下がるという研究結果もあります。

両者を同時に改善すると、相乗効果で、冠動脈疾患の予防効果はさらに高まります。

このように、冠動脈疾患を防ぐためには、ほかのさまざまな危険因子を、総合的に管理していくことが大切です。

 
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