野球が人気スポーツの日本では、小学生から中学生の子どもたちの間でも野球は盛んで、多くの子どもたちが野球を楽しんでいます。

しかしその一方で、野球を行う子どもたちに「 投球障害 」が多く発生しているという問題が明らかたになってきました。

徳島大学の整形外科では、35年前から継続して子どもの投球障害に関する研究を行ってきました。当時は高校野球で地元の池田高校が活躍したこともあって、子どもたちの野球も盛んでした。その頃から子供の投球障害は問題になっていました。

投球障害が多いことを示すデータもあります。徳島県の小学生を対象にした調査では、肘の痛みがある選手が29%、肩の痛みがある選手が16%にものぼりました。京都府の調査は対象が中学生になりますが、肘の痛みがある選手が57%、肩の痛みがある選手が36%もいました。

成長期の骨の特徴と投げすぎが原因

子どもの投球障害の主な原因は2つあります。

ひとつは、『 成長期の骨が障害を受けやすいこと 』です。子どもの骨には、骨が成長するために軟骨でできている「骨端線(こったんせん)」が存在します。これから徐々に骨になる部分で、この骨端線とそれから先の「骨端部」は障害が起きやすい部分です。

もうひとつの原因は、『 投げすぎ 』です。投球時には、普段の生活ではかからない大きな負荷が、肘や肩にかかります。そのため、投球数が多いと、骨の弱い部分に異常が起きやすくなってしまうのです。

予防のガイドラインが導入

投球障害を防ぐ取り組みが必要であることは分かっていたものの、具体的な対策はなかなか実現しませんでした。

やっと2015年度より、全国の中学生の硬式野球チームをまとめる日本中学硬式野球協議会が、『 中学生投手の投球制限に関する統一ガイドライン 』を導入することになり、これは非常に画期的なことです。

ガイドラインの内容には、3つのポイントがあります。

1つ目は、試合での投球回数の制限で、1日7イニング以内、連続する2日間で10イニング以内となっています。

2つ目は、練習での全力投球練習の制限で、1日70球以内、週350球以内となっています。

3つ目は、指導者に対するもので、障害予防のため、1人の投手に過度の負担がかからないよう、複数の投手を育成することを義務付けています。

 
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